新型コロナウイルス感染の終息に向けて、ワクチン接種のスケジュールが出されて、これで安心材料が増えたと喜ぶ人がいる反面で、悲しんでいる人もいます。喜んでいるほうは、自粛続きで売り上げが大きく落ちている業界や、ワクチン接種で利益が上がる業界などです。ワクチン接種は無料で実施されるので、途中で抜いて儲けようとするのは難しいことなのかもしれませんが、マイナス75℃で保存しなければならないワクチンのために、国が主導して1万台の超低温冷凍庫が必要になり、この業界にとってはバブル的に利益がもたらされました。
すでにあった超低温冷凍庫も、買占め状態で押さえられて、そのためにPCR検査の試薬を保存するための必要な超低温冷凍庫が手に入らず、PCR検査での収益が得られなくなるということもあります。物事の大きな変化は、いろいろな業界に影響を与えるという例のような話です。
ワクチンを全国民を対象として接種する予定であったのに、海外では65歳以上の高齢者にはワクチンの接種の効果が得られないという発表が続き、高齢者へのワクチン接種を中止する例も出ています。
新型コロナウイルスは高齢者には感染しやすく、重症化もしやすいということで、医療従事者に続いて早く接種することになっていたのに、どうなるのか先行きが見えなくなってきました。ワクチンを国民的に接種すれば国民免疫の高まりから急速に収束に向かわせることができるという見込みが立てられていました。そうなれば、PCR検査の必要性も低下して、検査数が減ると思われていたのに、またPCR検査が継続するとの見通しが出てきました。
こうなると、新型コロナウイルス感染対策には、ワクチン一辺倒ではなく、PCR検査をはじめとした検査をして、陽性者との接触を減らして感染を抑えるという方法が、まだまだ継続するということになります。