高齢者の身体と疾病の特徴2 一般的な高齢者の身体的特徴

高齢者の身体と疾病の特徴について、一般的な高齢者の身体的特徴を紹介します。これは日本医師会の資料を改変して作成したものです。

◎一般的な高齢者の身体的特徴
(1)予備力の低下
 病気にかかりやすくなる
(2)内部環境の恒常性維持機能の低下
 環境の変化に適応する能力が低下する
a)体温調整能力の低下
 例えば外気温が高いと体温が上昇してしまうことがある。
b)水・電解質バランスの異常
 発熱、下痢、嘔吐などにより容易に脱水症状を起こす。
c)耐糖能の低下
 血糖値を一定に維持する能力の低下。インスリンや経口糖尿病薬治療を受けている糖尿病患者は低血糖を起こしやすくなる。
d)血圧の変化
 加齢とともに血圧は上昇する傾向になる。
(3)複数の病気や症状をもっている
 治療もするが障害が残ったり、慢性化しやすくなる。
(4)症状が教科書どおりには現れない
 診断の基準となる症状や兆候がはっきりしないことが多い。例えば肺炎の一般的な症状といわれる高熱・咳・白血球増多も、高齢者の場合50〜60%しかみられないといわれている。
(5)現疾患と関係のない合併症を起こしやすい
 病気により安静・臥床が長期にわたると、関節の拘縮、褥瘡の発症、深部静脈血栓症、尿路感染などさまざまな合併症を起こしやすくなる。
(6)感覚器機能の低下
 視力障害、聴力障害などが現れる。