高齢者は筋肉が増えにくい

高齢者は運動をしても筋肉が増えにくく、日本メディカルダイエット支援機構で高齢者の運動事業に取り組んでいるメンバーは、運動の効果が現れにくい人は30%ほどにもなると実感していると話していました。高齢者では筋肉がつきにくい理由として、運動によってコラーゲンを増やしていく線維芽細胞の活性度が低くなることがあげられています。線維芽細胞を活性化させるためにはコエンザイムQ10が重要であることが知られています。
筋肉を増やすためには、細胞内のミトコンドリアで作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が必要になります。コエンザイムQ10はミトコンドリアのエネルギー産生を進める補酵素の働きをしているので、筋肉を増やす効果が高いことになります。
コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルの一つで、あと二つのα‐リポ酸、L‐カルニチンは糖質と脂質をミトコンドリアに取り込む働きをしているので、三大ヒトケミカルが揃ってあることで、筋肉増強の効果が高められるわけです。
筋肉の増強というと、足腰の筋肉というイメージがあるかもしれませんが、心臓を動かしているのも筋肉です。コエンザイムQ10は心臓の機能を高める成分として知られていますが、それは心筋(心臓の筋肉)にATPを与えて正常に働かせる作用があるからです。
血管はコラーゲンが充分にあることで弾力性が保たれ、血流も盛んになります。筋肉を増やすために必要な成分は心臓の圧力によって全身に運ばれているので、三大ヒトケミカルは複数の理由で、高齢者の筋肉を増やすために必要となっているわけです。