1食を抜くなら朝食なのか夕食なのか

脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖で、ブドウ糖が不足すると脳の正常な機能が保たれなくなるということは前に説明しましたが、脳細胞にブドウ糖が保持される時間はほぼ決まっています。ブドウ糖がフルに補われていた場合でも、その保持時間は15時間ほどです。この時間から考えて、1日に2食を食べてブドウ糖を摂取することが普通とされているわけです。
朝食と夕食を12時間ごとに食べていれば、食事のたびにブドウ糖が補われるので、脳細胞のブドウ糖が不足することはないことになります。ところが、1日に3食の食事のうち、朝食か夕食を抜いて、2食が昼食と夕食、もしくは朝食と夕食であった場合には、食事と食事の間の空腹時間が17時間から18時間にもなります。これでは、15時間のブドウ糖の保持時間を越えることになり、不足する時間が2〜3時間もあることになります。
脳のブドウ糖は15時間を過ぎたからといって急にエネルギー切れになるわけではなくて、ある程度の不足した状態になると減り方が少なくなっていって、それなりに保たれるものの、充分な働きができないまま徐々に能力が低下していくようになります。自動車のガソリンが減ってくると、徐々にエンジンの働きが低下していって、なんとか走ることはできるものの、スピードが落ちていくことになります。それと同じようなことが、脳のブドウ糖切れでも起こっているということです。
ブドウ糖が不足すると脳の働きが低下して、集中力が低下する、仕事がはかどらない、イライラするといったことが起こるのですが、問題は、それだけではありません。脳は全身の働きをコントロールしている重要な機関であるだけに、全身の機能が保たれないことになります。そんな時間が1日に2時間も3時間もあり、それがずっと続いていたら、健康に影響するのは当然のことです。だから、朝食を抜いてはいけないという話をして、朝食を食べるようになってくれればよいものの、中には朝食を食べて夕食を抜くという人もいて、ダイエットに強い関心を持つ人の行動には注意をはからなければならないということです。