BMI22なら長生きできるのか

BMI(Body Mass Index)は身長と体重から肥満度を計算されるもので、体格指数とも呼ばれています。体重(kg)を身長(m)で2回割ることで求められます。体重が62kgで、身長が1.68m(168cm)なら約22となります。22は理想的なBMIとされていて、これが適正体重とされていたことから、生活習慣病病のための目標として“BMI22”は常に言われ続けてきました。この数値は日本肥満学会も掲げていて、22だと健康診断での異常値が最も少なく、死亡率も低くて、だから長生きができる数値だとも言われてきました。
先ほどの体重62kg、身長が168cmというのは日本メディカルダイエット支援機構のメンバーの数字で、ウォーキングに頑張った日には61kgを少し下回って、BMI21.5になっています。本人に言わせると、これは運動による効果というよりも、歩いている間は余計な間食をしないので、その分が下がっているだけ、とのことです。
これまでBMI22を言い続けてきた私たちですが、ここのところ少し違うことも話しています。それは高齢者に向けての講習のときです。
日本人の高齢者を対象とした長期調査では、男性がBMI27〜29.9のとき、女性がBMI23〜24.9のときに、死亡率が最も低くなっています。BMI25以上が肥満とされていて、この結果からいうと男性は中等度肥満、女性は軽度肥満となります。これはアメリカのデータですが、高齢者の場合にはBMI22では、BMI27に比べて死亡率が1.4倍にもなっています。
高齢者といっても年齢幅があるわけで、関東のある地域の調査では60歳代では男性がBMI25.1、女性がBMI22.5で最も死亡率が低く、70歳代では男性がBMI25.5、女性がBMI24.1で最も死亡率が低くなっていました。年齢を重ねるにつれて少し太っているほうが長生きだということです。
高齢者は、やせている人のほうが介護を受けている人が多く、筋肉の量が減るにつれて自立できなくなる可能性が高くなっていきます。年齢を1つ重ねると筋肉量は1%減るとされるだけに、脂肪が多くて筋肉が少ない不健康な肥満傾向ではなく、筋肉量が保たれている健康的な肥満傾向を目指すべきだということを講演の機会に伝えさせてもらっています。