〔発達栄養アドバイザー趣意書より改変〕
DNAは発達栄養アドバイザー(Developmental Nutrition Adviser)を略したもので、特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構による認定資格です。
子どもの身体と脳の健全な発育のためには充分な量の栄養素と、バランスが取れた摂取が第一条件となります。しかし、栄養バランスの取れた料理を出して、それをすべて食べていれば健康が保たれて、成長に必要な栄養素が吸収されて、体内で効率よく使われるわけではありません。
これまで乳幼児の栄養指導は生理学を基本として、それに発育段階の特性を加味して実施されてきました。しかし、原則的な栄養理論が通じにくい子どもが急激に増えてきたことから、新たな考えによる栄養面でのアプローチが検討されてきました。そのアプローチとして注目されていることの一つがエネルギー代謝科学に基づく発達栄養の研究成果です。
これは栄養素だけでなく、食べ方や消化・吸収に大きく影響してくる自律神経の働きも重視されており、栄養摂取や自律神経調整が大きく乱れているために生活に困難さを抱えている発達障害児にも対応することが可能な内容です。
人間は栄養素だけで生命維持と発達が行われているわけではありません。この栄養素を効率よく取り入れ、効率よくエネルギー化して、そのエネルギーを心身の発達に役立てるためには、それぞれの子どもの状態に合わせた生活リズム改善、睡眠、休養、運動といった全方位的な対応が求められます。
食品に含まれる栄養素を中心とした食品栄養学は、体内の生理学的な仕組みに注目した細胞栄養学へと移り、人間の活動を中心に考える人間栄養学へと変化してきました。そして今、子どもの発達について栄養を中心に据えながらも全体的に考えていく発達栄養学へと進展させてきました。
すべての子どもたちを対象とするものの、中でも栄養摂取に困難さを抱える発達障害児への対応について重点的に探求しています。発達障害がある子どもは、極端な偏食による栄養不足が成長に影響を与え、それがさらに発達障害の困難さを増強させるという悪循環を起こしている実態があります。
この解決を目指して、私たちは全方位的な発達栄養による支援の普及を進めるために資格認定を取り入れた講習を始めることとしました。発達栄養に関わってほしい対象は、保護者や家族から栄養の専門家、医学の専門家、発達支援の専門家、広く教育や福祉に関わる方々まで多岐にわたっています。
それぞれの方が経験や知識を活かして、子どもたちの未来のために取り組めるように、各方面に及ぶ内容を含めた資格認定講習を構築しています。発達栄養をきっかけにして、子どもから成人までの栄養摂取、発達支援、教育支援まで栄養面で支えられる社会を目指した私たちの活動をご理解いただき、ご支援をいただき、さらに活動に多くの方が参加いただけることを願っております。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕