NWはノルディックウォーキングの略称として使われています。NWの普及団体としては特定非営利活動法人日本ノルディックウォーキング協会、特定非営利活動法人日本ノルディックフィットネス協会、一般社団法人全日本ノルディック・ウォーク連盟、一般社団法人日本ポールウォーキング協会が代表的4団体として知られています。この4団体に一般社団法人日本ノルディックウォーキング振興会などが参加して、ノルディックウォーキング・ポールウォーキング全国大会が開催されています。「そこまでの活動をしていながら一本化できないのですか」とテレビの健康番組のプロデューサーから聞かれました。一本化というと以前に2つのテコンドーの競技団体がオリンピックに選手を送るために一緒になったことや、3つあったゲートボールの団体が一緒になったことが有名です。公益財団法人日本ゲートボール連合という団体名は、その経緯を表しています。
テコンドーもゲートボールも派閥争いなどではなく、同じスポーツなのにルールが異なっていて混乱があることもあって一本化によって健全化が進められました。ルールの違い、テクニックの違いは武道の“流派”のようなものですが、NWも違いは流派と言えるかもしれません。
2本のポールを用いて歩くことは同じなのに、ポールの突く位置、腕の使い方、体の動かし方などが異なっています。本家の北欧のスタイルそのままに行うのがよいという団体もあれば、日本人に合ったスタイルがよい、いわばテニス(硬式)から日本でソフトテニス(軟式)が誕生したように、と説明する団体もあります。
NWにはポールが必要ですが、北欧でも国によってポールの会社が異なり、会社の支援を受けて協会ができて、それを受けて日本の団体ができたこともあります。国内の会社は、もともとスキーのストックの作っていたメーカーで、各社のポールがメインとなっている団体もあって、話をややこしくさせています。
こうなると、どの団体、どのテクニックがよいということではなく、基本を押さえつつも、参加する人に適したポールとテクニックを伝え、さらに健康づくりに役立つように運動と栄養などの健康知識も普及していくことが大切です。その考えに基づいて研究と講習テキストづくりを始めたところです。完成は平成29年3月の予定です。