100kcal栄養学11 食のユニバーサルデザイン

1980年ころから、アメリカの建築家であるロナルド・メイスより、「最初からすべての人々に使用できる方法で工夫された方法」を“ユニバーサルデザイン”と呼ぶことが提唱され、世界的な展開がみられました。

100kcalを基本とする「ダイエットデザインハウス」は、この流れを受けて「食のユニバーサルデザイン」として新たな展開を迎えることとなりました。

誰もが理解しやすく、実践しやすい方法が必要であり、そのための手法としてチケット(食券)方式が提案されています。これは1日に食べるべき食材を講習するためのチケットを、それぞれの人に適した種類と枚数が示されるもので、その中から食品を選んでいくことで、バランスが取れた食事ができることを目指したものです。

エネルギーの単位はkcalであり、食品のエネルギー量の合計は三大栄養素を摂取した合計ともなっています。しかし、食品の摂取割合は重量(g)で表されることが多く、重量からエネルギー量は把握しにくいところがあります。

たんぱく質は1gが約4kcalに相当します。脂質は1gが約9kcal、糖質は1gが約4kcalとなっています。このため、わかりやすくするために、三大栄養素をエネルギー量(kcal)に換算して、3種類の比率をパーセントにしたものがPFCバランスとなります。

エネルギー量から1日の理想的な栄養バランスを食品に分類すると、1日に摂取するエネルギー量のうち50%が主食、25%が主菜、25%が副菜となります。

1日の摂取エネルギー量を1600kcalとすると、主食は800kcal、主菜は400kcal、副菜は400kcalの割合となります。これは治療食の基本的な制限の中でのもので、通常の食生活では2000kcalが示される例が多くなっています。

主食は、主に糖質(炭水化物)で構成される食品で、ご飯やパン、麺類などが該当します。主菜は主にたんぱく質で構成される食品で、肉、魚、卵、豆腐などが、また副菜はビタミン、ミネラル、食物繊維、油を多く含む食品で構成されます。

チケット方式では、紙1枚を100kcalとして、紙の色と枚数で料理に使用する食品のバランスを考える方法をとっています。

ここでは主食は黄色、主菜は赤色、副菜は緑色として、100kcalの紙が主食の黄色が8枚、主菜の赤色が4枚、副菜の緑色が4枚となります。それぞれ100kcalを示す紙が、どの種類の食品で、どれくらいの量になるかがわかれば、1日に食べるべき食品を知ることができるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕