栄養バランスというと、食品の重量で考えようとすることが多く、「肉を100g食べたら、どれくらい野菜を食べればよいか」とか「肉と魚を、どれくらいの割合で食べればよいか」という発想をしがちです。
バランスのよい食事というと、たんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)、ビタミン、ミネラルの必要とする量を摂取できることが示されていて、これは重量に着目しています。
これに対して厚生労働省は、「PFCバランス」を重要な方法として掲げています。
PFCバランスは、たんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)が理想的な摂取割合になっていることを指していますが、この場合に着目されているのはエネルギーを構成する三大栄養素(エネルギー源)のバランスです。
P(たんぱく質:protein)、F(脂質:fat)、C(糖質:carbohydrate)を指しています。
P:たんぱく質 13~20%
F:脂質 20~30%
C:糖質(炭水化物) 60~70%
この割合が掲載されているのは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」で、2020年版でも2025年版(2025年4月〜2030年3月)でも同様の割合となっています。
以前は、脂質の割合が20〜25%でしたが、上限が増えたのは単純に脂質を増やしてよいということではありません。
これは飽和脂肪酸を7%以下にするという別の条件が加わったためです。植物油や魚に多い不飽和脂肪酸を増やし、肉類などに多い飽和脂肪酸を減らすことを示しています。
子どもの場合は飽和脂肪酸の摂取割合は14歳までは10%以下、15〜17歳は8%以下、それ以降は成人と同様に7%以下となっています。
ここで間違ってはいけないのは、エネルギー量(kcal)のバランスということで、重量(g)のバランスではありません。1gあたりのエネルギー量は、たんぱく質と糖質が約4kcalであるのに対して、脂質は約9kcalと2倍以上となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕