100kcal栄養学5 栄養成分はエネルギー量で考える

食品に含まれる栄養成分を評価する方法として、食品の重量から考える方法と熱量(エネルギー量)から考える方法とがあります。この二つの評価法を各食品について現した食品成分表も、食品の可食部100gに含まれる栄養成分を評価したものと、一定の熱量を単位として、その中に含まれる栄養成分を評価したものとがあります。

生活習慣病の予防を目的にした栄養指導では、摂取する食事量は熱量(エネルギー量)によって示され、その単位となった熱量の中に含まれている三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)のエネルギー量(PFCエネルギー)を考えるスタイルとなっています。

栄養関連の書籍では、食品の目安量を「80kcal」としている例を多く見ます。80kcalを主流としているところが多いのですが、80kcal単位の表示は計算しにくく、これが食事療法やダイエットなどの理解を難しくして、実践が進みにくい一つの要因となっています。

それに対して私たちは100kcalを基本としています。これは単に80kcalの倍数が計算しにくいからキリのよい100kcalを採用しているわけではありません。

80kcal単位の目安量の表示を、わかりやすい100kcal単位にするというと、なんだか新しい考え方を提案しているような感じがあるかもしれません。

しかし、実際には100kcal単位は日本の栄養学の基本とされてきたもので、歴史を振り返ってみると100kcal単位の評価によって栄養指導が実施されてきた事実があります。

食品でエネルギー源となるのは、たんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)だけで、この他のもの(ビタミン、ミネラル、食物繊維)にはエネルギーが含まれていません。そのため、たんぱく質、脂質、糖質は、三大エネルギー源もしくは三大栄養素と呼ばれています。

エネルギー源は種類によってエネルギー量が異なっていて、1gあたりでは、たんぱく質が約4kcal、脂質が約9kcal、糖質が約4kcalとなっています。

このことがわかると、重量からエネルギー量を把握することができるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕