今でこそ日本人は長生きになりましたが、かつては先進国の中では短命な国でした。
日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳(2022年)ですが、77年前の終戦から2年を経て、戦後初めて発表された昭和22年の平均寿命を見ると、男性が50歳を超えて、男女ともに50歳を超えた記念すべき年でした。
そのときから比べると30年以上も平均寿命が延びています。第一子の出産年齢は30.9歳(2021年)なので、一世代分の年齢が延びたことになります。それだけ次の世代に“何か”を伝えるための時間が確保されました。
ただ長生きになっただけでなくて、健康面でも向上しています。日本老年学会と日本老年医学会は、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上にすることを提言しました(2017年)。65歳から74歳は准高齢者として、75歳以上を高齢者と分類するもので、准高齢者は支えられる側ではなくて、むしろ高齢社会を支える人材となるべきだとしています。
その根拠ですが、医学的な調査で、10〜20年前に比べて10年ほども健康度が高まっていることがあげられています。
この提言があった時期の日本老年学会と日本老年医学会の理事長は、私が所属していた日本未病学会の初代理事長で、東京大学病院副院長から虎の門病院院長へと移動する前後のことでした。
定年退職をして、自由になる時間が増えた分を社会に貢献してもらいたい、これまでの経験を次の世代に伝えて、社会的にも経済的にも日本を上昇させる原動力になってもらいたいというのが、65〜74歳人口が1740万人にもなった日本の将来を考えると心から望みたいことです。
そして、こういったことを常に意識して倫理を学び、実践に取り組みたいと考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕