「他人に見えないものが見える」といっても怖い話ではありません。
私たちが支援する発達障害児の中には視覚情報処理の異常によって、文字がゆがむ、文字がにじむ、文字が動いて見える、左右が逆転して見える、ということがあり、本人の困難さを周囲の人がわかってくれないということもあります。
しかし、今回のテーマの「他人に見えないものが見える」は、それとは違って、閃輝暗点(せんきあんてん)のことです。これは私に起こっていることで、他の人に説明しても、見えていないものを理解してほしいと望んでも、ほとんど意味がありません。
私の場合は視界の一部にモザイクが出るもので、閃輝暗点のうちの閃輝だけが起こっています。原因は究明されていて、脳の後頭葉の血流が低下することで視覚情報が正常な画像にならないということです。原因はわかっていても、血流を促進させるだけで、改善法・治療法はないに等しいという状況です。
閃輝暗点のモザイクは急に現れます。それも視界の下側に出るので、文字が見づらくなって仕事を中断するしかない、クルマの運転をしているときに起こったら交通事故の加害者になりかねないということで、早期に自動車運転免許証を返納しました。
仕事のほうでは、なぜか好きなことをしているときには起こりにくく、嫌な仕事や嫌と感じさせるような人との会話でも起こります。
自分にとっては、ある意味でとてもよいセンサーになっているので、むしろ治らないほうがよいのかと思うくらいですが、早起きをしてモーニングセミナーに参加することを周囲に心配されました。
しかし、これまで閃輝暗点は出ていないので、これは自分にはよいこと、嫌なこととは感じていない(もしくは対応できる範囲)ということで、「他人に見えないものが見える」ことを楽しんでいるところがあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕