新たな活躍の場としての第4の居場所を作っていく活動は、一気に進んでいるように見えることもあれば、同じことを繰り返しているだけに見えることもあります。同じことを繰り返しているように見えると、発展性がないように思われることもあります。
マラソンは走る距離が決まっているだけで、コースは大会によって変化があるのは当然のことですが、競技場のトラックをグルグルと回って42.195kmを走るイベントを開催しても、これはマラソンとは呼ばないはずです。
社会的な活動の場合には、同じことの繰り返しであっても、長く続けることが重要とされることであれば、これは立派な成果となります。
ところが、徐々にであっても向上していくことが目的であって、これが周囲のモデルとなる活動であって場合には、“同じことの繰り返し”は序盤の2〜3回くらいは許されます。これが長く続くようであると批判の対象とされることもあります。
しかし、その“同じことの繰り返し”のように見えることも、視点を変えると決して同じではないことがわかるということがあります。二次元的な視線では同じであっても、三次元的な視線では高まっている、成長を遂げていることが見えてきます。
二次元的な視線というのは、真上から見た場合のことで、これだとグルグルと回っているように見えます。ところが、横からも見る三次元的な視線では、徐々に上昇していることがわかります。
目的が正しければ、同じ行動を繰り返しているように見えても、螺旋状の成長をしていて、これはスパイラルアップ(spiral-up)と呼ばれます。
専門性が異なる複数の専門家の活動、複数の団体の活動では、“同じところをグルグル”という状態であっても、相互の情報交換とインプットによって、実は参加者全員がスパイラルアップしていくことができます。
スパイラルアップは、好循環と訳されることが多く、改善が効果を及ぼしあって継続的な改良・向上に結びつくことを意味しています。
個別のスパイラルアップが組み合わさって、組織としてのスパイラルアップが達成されていくことによって、考えに協賛する人たちの参加が増え、違う出会い、違う行動が起こっていくことになります。
それが第4の居場所に求められていることです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕