第3の居場所を表すサードプレイスは、目的によって大きく2種類に分類されています。
一つは「マイプレイス型」で、他人の目を気にせずに、一人でのんびりと過ごせる場所を指しています。
それは特別な場所だけでなく、カフェであっても誰にも邪魔をされず、一人だけで自由に時間を過ごすことによってリラックスできるということで、ストレスが過多となりやすい現代社会では重要な居場所となります。
もう一つの「交流型」は、さまざまな人が気軽に交流できることを目的に設計された場所を指しています。
これに該当するのは、子どもの居場所(預かり的な活動)、高齢者の居場所(気軽に集って話ができる場)、カフェなどがあります。同じカフェであってもコミュニティ・カフェと呼ばれるNPO法人や学生ボランティアなどが一緒に活動する(共同活動)居場所が、これに該当します。
サードプレイスは、ビジネスの場においても活用されるようになっています。
これまでは各社が、それぞれの工夫と努力で業績を伸ばしていくことができましたが、時代の大きな変化の中にあって、1社だけ、1つの企業グループだけの知識、情報、技術だけでは勝ち抜くのが難しい状況になっています。
これを改善するために、同業者が集まって、団体を立ち上げ、企業活動と団体活動の両方の立場での活動を行っていく方法として、協会、協同組合などが設けられました。
この方法でも勝ち抜くのが困難な状況があり、これを効率よく進めていく方法として同じ目的を持った異業種が集って共同で取り組んでいくプロジェクト、コンソーシアムの取り組みも盛んに行われるようになりました。
企業にとってのサードプレイスは、初めこそ“互助会”“助け合い”という色が濃かったのですが、連携して生産性を高める役割で済んでいたところがあります。それは国内での競い合いで通じることであって、世界と戦わなければならない時代には守りの姿勢では対応できなくなっています。
そこで、団体として外圧、外敵と戦う、その力を得るために団体として行政と交渉する、一般や消費者に対しては業界団体の立場(役員、会員など)で訴えていくということが必要になってきました。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕