健康食品は、有効成分を抽出して凝縮しているので、原材料の価格が高いものなので、量は少なくても高いというのが、かつての常識でした。だから1か月分が8000円から1万2000円の範囲の商品が最も売れるという時代もありました。それが今ではテレビの通販番組やコマーシャルで500円で販売する、しかも送料込みという価格を打ち出しているものもあります。
送料は封書を使っても84円から370円はかかります。370円というのは郵便局のレターパックライトの料金ですが、厚さ3cm以内、重量4kg以内というので、健康食品を送るには充分な内容です。なぜ、送料のことを書いたのかというと、厚さと重量が安く販売できる秘密となっているからです。
500円というのは初回だけの料金です。最近では初回は無料、という恐ろしいものまで登場しています。わざわざ「恐ろしい」という表現を使ったのかというと、注文した商品は小さなもの、お試し価格・サイズというのに、送られてきたものは厚さ3cm、重量4kgという範囲に収まるもので、こんなものは注文していないのに、という驚くものが届けられます。
消費者を騙すような送りつけ商法ではないのですが、封を開けてみると豪華なカタログが入っていて、ほかの健康食品の案内だけでなく、さまざまな生活に関する商品が案内されていることがあります。500円の商品が膝に関連するものであったときには、膝だけでなく全身の痛みに関わる商品は紹介されています。目に関する商品であった場合には、紫外線を防ぐ商品や目の血流をよくする装置まで紹介されています。
これは購入の見込み客を取り込む方法であるのですが、安く購入できる商品を注文した会社からではなくて、別の会社からパンフレットやカタログが送られてくることもあります。こうなると、500円に釣られて注文した人のリストが他に流れているのではないか、との疑いも生じます。安いものであっても健康食品に関心を示して、財布を開いた人は他の商品も買う、高いものも買いやすいという考えもあって、そんなおいしい呼び込み価格での販売が行われている実態もあるのです。