発達栄養40 糖質の性質

糖質は、炭素、水素、酸素で構成された有機化合物で、利用されやすいエネルギー源であり、体内で必要となる栄養素の原料にもなっています。一般には糖質は炭水化物とも呼ばれますが、消化酵素によって消化される糖質と、消化されない食物繊維があります。これを合わせたものが炭水化物で、これは単糖類、少糖類、多糖類の総称でもあります。単糖類は、ブドウ糖、果糖、ガラクト―ス、アミノ糖、糖アルコールなどの種類があります。
ブドウ糖は、穀類や果物に含まれる最も重要な糖質で、血液中には血糖として存在しています。血糖値は血液中のブドウ糖の量を示しています。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であり、また全身のエネルギー源として利用されます。果糖(フルクトース)は果物、果汁に含まれています。ガラクトースは乳糖の構成成分で、乳製品に多く含まれています。
アミノ糖は、グルコサミンなどアミノ酸とブドウ糖が結合したものです。糖アルコールはカルボニル基がアルコールに還元されたもので、エネルギーとして利用されにくく、虫歯菌が利用できないため、人工甘味料のキシリトール、マルチトールとして使用されています。
少糖類は、単糖が2~10個結合したもので、結合数によって二糖類、三糖類などと呼ばれます。二糖類には、ブドウ糖が2個結合したマルトース(麦芽糖)、ブドウ糖と果糖が結合したスクロール(ショ糖)、ブドウ糖とガラクトースが結合したラクトース(乳糖)があります。ショ糖は砂糖の主成分となっています。
3個以上の単糖が結合したのがオリゴ糖で、オリゴは少しを意味します。オリゴ糖は消化酵素によっては分解されず、腸内でビフィズス菌などの有益菌(善玉菌)の栄養源になります。フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖といった種類があり、ビフィズス菌を増やして腸内環境を整える食品の素材として特定保健用食品に用いられています。
多糖類は、単糖が多数結合した高分子化合物で、ブドウ糖が鎖状に多数結合した植物性のデンプン、動物性で筋肉や肝臓に豊富に含まれるグリコーゲン、植物の細胞壁の主成分のセルロース、果物や野菜に多いペクチンのほか、食物繊維も多糖類の構造となっています。