健康食品は1種類の素材だけでなくて、複数の素材を組み合わせるのが一般的です。これは目的を定めて、その目的に合った素材を選択しているからですが、組み合わせる素材によって有効性が高まるものがあれば、逆に有効性を低下させる結果となるものもあります。他の素材と一緒にすることで機能を低下させたり、吸収が低下することもあるからです。
機能を向上させるものとしては、それぞれの目的によって選択するものが違ってくるのは当たり前のことですが、これを使えば、それぞれの素材の有効性を高めることができるとして研究が進められている成分があります。それは代謝促進成分のL‐カルニチンです。
L‐カルニチンは細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要な成分です。脂肪酸と結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過することができます。生命維持には欠かせない成分であることから、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから肝臓で合成されています。しかし、合成のピークは20歳代前半で、それを過ぎると合成量が減り、ミトコンドリアへの取り込みが減って、ミトコンドリア内のエネルギー代謝が低下していくことになります。
全身には60兆個以上の細胞があり、細胞のミトコンドリアで作り出されたエネルギーは、それぞれの細胞の中でしか使われません。電気のように他に細胞に流れていって使われることはないのです。
細胞の中では生化学反応が起こっています。この生化学反応を正常に働かせるために、ミトコンドリアで作り出されたエネルギーが使われています。細胞レベルから健康を保つにはエネルギー産生を高めることが必要で、L‐カルニチンによってエネルギー産生が高まることによって、細胞に影響する健康食品の成分の働きを高めることにもなるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)