GABAはストレス解消の成分として、健康食品や機能性表示食品に使われています。GABAはγ−アミノ酪酸というアミノ酸の一種で、Gamma-Amino Butyric Acideの頭文字をとった略称で、ギャバと呼ばれています。カカオに多く含まれることから食品としてはチョコレートやココアのほかに、トマトや発芽玄米にも含まれています。
ストレス解消といえば、脳への作用であることから、脳に取り込まれて直接効果があるように思われがちですが、脳に取り込まれることはありません。脳には余計なものを取り込まれないようにするための血液脳関門というゲートがあり、ここをGABAは通過することができません。それなのに特定保健用食品(トクホ)の成分ともなっています。
特定保健用食品としての有効性の表記を見てみると、血管収縮作用伝達物質のノルアドレナリンの分泌を抑制することによる血管降下作用が確認されています。血圧を下げる作用が、間接的に脳のストレスに影響を与えるのではないか、ということです。
機能性表示食品にもGABAが使われていて、機能としては「血圧が高めの方に適した機能があることが報告されています」などと表示されています。このほかにもストレスについての機能性表示がされたものもあり、「デスクワークによる一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する機能があることが報告されています」と表示されています。
ここで気になるのは、「機能があることが報告されています」という表現です。特定保健用食品は、商品そのものを用いて試験をした結果が必要ですが、機能性表示食品は商品そのものの試験結果だけでなく、論文に掲載された有効性の結果があれは、それと同じ成分を同じだけ含まれている商品は同じ有効性があるという前提のもとに認められるものです。後者の場合には「機能があることが報告されています」と表示されています。