サプリ概論195 GABAを脳内で作り出すビタミンB₆

精神的ストレスの緩和に効果があるとして特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の成分ともなっているGABAは、γ−アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acide)というアミノ酸の一種です。GABAは血液脳関門を通過することができないため、脳細胞に入ることはできません。だから、脳に直接作用しているのではなくて、血圧を抑制することで脳のストレスを解消していると考えられています。
GABAは脳内で合成されて自律神経の副交感神経の働きを高める作用が確認されています。GABAの合成を進めるためには、その材料になるアミノ酸のグルタミン酸が必要です。グルタミン酸には脳を興奮させる作用がありますが、興奮が進みすぎないようにするGABAを合成して、脳の機能のバランスが取られています。
グルタミン酸は非必須アミノ酸なので、体内で合成されます。ただし、グルタミン酸からGABAを合成するためにはビタミンB₆が必要となります。
ビタミンB₆は水溶性ビタミンで、ピリドキシンとも呼ばれています。糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特にたんぱく質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると貧血や肌荒れ、湿疹、神経系の異常などを引き起こします。腸内で腸内細菌によって合成されます。食品では魚や肉に多く含まれますが、調理したり、加工食品にすると失われやすくなっています。
ビタミンB₆は体内では12時間ほどしか保持できないので、朝食と夕食で摂取する必要があります。食事だけでは摂取できないときにはサプリメント(栄養機能食品)から摂ることがすすめられています。