内閣府が20代の独身者の約4割がデート経験がなくて、20代男性の約7割、女性の約5割が恋人や配偶者がいないという調査結果を発表しました。これは男女共同参画白書によるものですが、これでは少子高齢化がさらに拍車がかかるのは当然のことです。
人口ピラミッドという言葉があって、この言葉が生まれたときには子どもの数が多くて、年齢が進むほど死亡者が増えることで、その数はピラミッドの形に似ているということで名付けられたものです。これは世界的な傾向でしたが、高齢化が進むと上のほうが膨らみ、少子化で下のほうが減って、形が歪(いびつ)になっていきます。
今の日本の人口ピラミッド(と呼べるのか?)を見ると、横長のラグビーボール型になっていて、さらに将来的には縦長のラグビーボール型になると推定されています。
2021年の1年間だけで減った日本の人口は62万人を超えています。これが、どれくらいの人数なのかというと、国内で一番人口が少ない鳥取県の人口や約54万人を超える数で、それだけの人口が減っていけば、歪な人口比率になるのは仕方がないことです。
結婚して子どもを作るよりも、自分の親を世話する、その親(祖父母)の世話もしなければならない時代が迫っている中で、結婚するように働きかけても、なかなか難しいことだということがわかります。
結婚をしても子どもがいらないという声の中には、子どもの障害化は以前からあげられていました。発達障害が子どもの10人に1人もいて、発達障害は特性が生涯変わらないということを考えると、発達障害を心配して出産が考えられないという人が増えてくるのも理解できるところです。発達障害児の保護者は、とにかく大変で、それに親や祖父母の介護が加わったら、もう耐えられないことです。
発達障害児の誕生が不安視されるのは、その支援策だけでなく、社会的な理解が不足していることも大きく関係しています。発達障害者支援法では、発達障害があって、社会的障壁があることで発達障害者・発達障害児になると定義されています。社会的障壁をなくす(減らす)ためには、まずは理解を進めることが重要なのですが、それさえも進まない中では結婚しない、子どもを作らないという選択は増える一方ではないかと認識しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)