最大酸素摂取量の60%の強度の有酸素運動をすることで、運動後の脂肪代謝を高めることができるEPOC(excess post-exercise oxygen consumption)効果は、短時間だけのことではなくて、運動法によっては12時間も効果を高めることができることが研究によって明らかになってきています。
最大酸素摂取量は全力で運動したときに体内に取り込む酸素量のことですが、その60%の最大酸素摂取量の運動というのは、どの程度のものなのかという質問を受けます。この種類の運動を、これだけの時間をかければよいと簡単に説明できればよいのですが、最大酸素摂取量は体格や体力、運動経歴などによって違いが現れるので、決めつけることができないのが悩ましいところです。
しかし、最大酸素摂取量を心拍数から推定する方法があって、スポーツ選手のような激しい運動をしている場合でなければ、大きな違いがない目安を計算によって出すことができます。その計算方法としては、以下のものが使われています。
「最大心拍数(220−年齢)−安静時心拍数×目標運動強度+安静時心拍数」
最大心拍数は220から自分の年齢を引いたもので、50歳なら50を引いて170となります。安静時心拍数は1分間の回数で、60〜80回が正常値とされています。一般には60回を基準としています。目標運動強度は60%以上で60〜70%を目指しますが、ここでは60%としておきます。
ということで、50歳では「(170−60)×0.6+60=126回」で、心拍数が1分間に126回なら、目標運動強度が60%に達したと判断できるわけです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)