Medical Diet127 ダイエット後のかかと落とし

「太っていて何もよいことはない」ということは、ダイエットをすすめるときに、よく聞かれることです。本当によいことはないのか、というと、いくつかよいことはあります。
脂肪が多くついていると外からのショックを受け止めやすく、やせすぎると免疫が低下するので免疫の維持にはよい、ということが言われます。そんなことよりも太っていてよいことに骨が丈夫だということがあげられます。
骨は硬いもの、変化しないものというイメージがあるかもしれませんが、常に変化しています。破骨細胞が骨を壊し、骨芽細胞が骨を作っています。骨はカルシウムの保管庫でもあり、食事から摂るカルシウムが減ると骨を破骨細胞が壊して、血液中に放出します。カルシウムは骨や歯に約99%が存在していて、残りの約1%は血液や細胞の中にあります。カルシウムは神経伝達物質でもあって、減ってくるとイライラするといったように、わずかな量であるだけに、身体に大きな影響を与えます。
だから、不足することがないように常に壊されています。カルシウムが必要のない状態では骨芽細胞がカルシウムを骨に戻していきます。その重要な働きをする骨芽細胞の働きは、骨に負荷がかかるほど活性化されます。負荷は体重が重いほど強くなるので、太っている人は普通に暮らしているだけでも骨に負荷をかけて、丈夫になっているのです。
年齢を重ねると筋肉が減ってやせてくる人が増えます。健康維持のためにやせることを求められると、骨が弱ってくることになるということで、骨を丈夫にする必要があります。そのために考え出されたのが骨にショックを与える“かかと落とし”です。爪先立ちして、足の力を抜くとかかとが下に落ちて、かかとにショックが与えられます。これによって骨芽細胞の働きをよくしようということです。
どれくらいの回数をすればよいかと聞かれることがあるのですが、太っているときには常にかかっている負荷を、かかと落としで得ようということなので、「常に」と言いたいとことですが、実際には「できるだけ多く」というのが正解ということになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)