ストレスは胃に影響を与えることは随分と前から知られてきたことで、ストレスを軽減させるものの研究も随分と前から行われてきました。腸の負担をやわらげる機能性表示食品は、その表示を見ると消化をよくしたり、胃の痛みを軽くしてくれるのではないかと期待されることがあります。機能性表示食品は消費者庁の機能と、その試験内容を届け出ることから、消費者庁のホームページで、どんな製品なのか確認することができます。これを見ると、案外とイメージされていることと違っているものもあります。
腸の負担をやわらげる機能性表示食品であるヨーグルトは、その中に含まれる乳酸菌が特徴的で、腸ではなくて胃に対して機能を発揮するものです。その機能性表示食品は、実際の製品を用いた試験結果ではなくて、同じ種類の乳酸菌を健常な成人に対して使った研究論運を根拠にしています。そもそも機能性表示食品として届出をするときには、病気がある人を対象とすることが許されていません。あくまでも健康な人が、健康を維持するために使うものであって、多くの人が期待する健康回復のためのものではないということです。
研究論文では、特別な乳酸菌を含む食品を摂取する人と、乳酸菌を含まないプラセボ食品を摂取する人に分けて、胃の負担を軽減する機能について日本人を対象にして研究しています。実際に何を調べているのかというと、胃に関する主観評価、胃排出時間です。ともに有効性が認められるとの評価であったのですが、主観評価というのは本人の気持ちの問題が大きいものです。
胃排出時間というのは、早く消化されたというだけではなくて、充分に消化されていないのに早く小腸に運ばれることもあります。そのどちらなのかについては提出の資料には詳しく書かれていません。
提出された資料に掲載されている論文が2つだけというのも気になるところです。