1日に食べている量を100kcal単位で確認する方法を前回は紹介しましたが、摂取エネルギー量が1日の必要なエネルギー量と合っていればよいというわけではありません。栄養バランスが取れていなければ、全体量が合致していても喜ぶわけにはいきません。
栄養バランスについては、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)でエネルギー源の割合として示されています。エネルギー源というのは、食品の中に含まれているエネルギーとなる糖質、脂質、たんぱく質を指しています。これ以外のもの(ビタミンやミネラル、食物繊維など)はエネルギーとはなりません。
「日本人の食事摂取基準」のエネルギー産生栄養素バランスによると、炭水化物50〜60%、脂質20〜30%、たんぱく質13〜20%となっています。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもので、食物繊維にもエネルギーは含まれているものの消化も吸収もされないので、炭水化物と書かれていても摂取エネルギー量としては糖質と同じと考えることができます。
主食(ご飯、パン、麺類など)は糖質が多く食品ではあるものの、たんぱく質も脂質も含まれています。ご飯の場合には55%ほどが糖質となっています。エネルギー源の割合ではなくて、食品としての摂取エネルギーを100kcal単位で考えてバランスを取るようにすると、例えば1日に1600kcalを摂取する場合には、主食が800kcal、たんぱく源の主菜(肉、魚、卵、大豆製品)が400kcal、副菜の野菜が100kcal、牛乳が100kcal、果物が100kcal、そして油が100kcalとなります。
副菜は野菜の他に汁物となります。小鉢やサラダの1食分が25kcalとして、1日に4つを摂るようにします。油は意識して使わなくても調理したものや加工食品に含まれています。
1600〜2000kcalまでは主菜の400kcal、副菜の100kcal、牛乳の100kcal、果物の100kcal、油の100kcalは同じにして、主食だけで調整します。つまり、2000kcalでは主食は1200kcalとなります。
これらを目で見てわかるようにするために、主食は黄色、主菜は赤色、副菜は緑色に色分けして、1枚が100kcalの紙を摂取エネルギー量の分を用意して、1日のメニューを考えるようにしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)