エネルギー代謝28 吸収とエネルギー代謝

胃で消化されたものを小腸で吸収するときには、ただ染み込むようにして血管まで運ばれていくわけではなくて、腸壁の細胞が栄養素を取り込んでいます。細胞に取り込まれたエネルギー源のブドウ糖と脂肪酸は、細胞の中でエネルギー化されるというイメージがあるかと思います。エネルギー化はされているのですが、エネルギー源を使って、細胞の中で作り出されたエネルギーを使って細胞は、それぞれの働きをしています。
腸壁の細胞はブドウ糖と脂肪酸を次の細胞へと送っていって、毛細血管に届ける働きをしています。この働きがスムーズに進むためには、腸壁の細胞の中で多くのエネルギーが作り出される必要があります。
大きなエネルギーを発生させるには、エネルギー量が多い脂肪酸を細胞のミトコンドリアに効率よく取り込む必要があり、脂肪酸と結合して取り込む働きをしているのは代謝促進成分のL‐カルニチンです。L‐カルニチンは肝臓と腎臓で合成されていますが、合成のピークは20代前半で、年齢を重ねるほど代謝が低下していくのはL‐カルニチンの減少が関係しています。L‐カルニチンは以前は医薬品の成分であったのが、今では食品成分として摂ることができます。
腸壁の細胞には酵素があって、それぞれの細胞の生化学反応は酵素によって促進されています。酵素の働きは細胞が温まるほど高まっていくという特徴があります。ミトコンドリアの中で発生したエネルギーのうち、半分ほどは細胞を温めるために使われています。ということは、効果的に脂肪酸を取り込んで、多くのエネルギーが作り出されるほど細胞が温まり、酵素の働きも高まって、細胞の働きがよくなるということです。
エネルギー代謝を高めることは、腸の吸収を高めることにもつながるというわけです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)