案内人が迷わない道案内をする人だと考えると、日常的に使っている道を、わざわざ案内してもらう必要はないので、案内人は必要のない存在となります。
“道”というのは、通路、経路、道すじ、方法、教え、学問、修行などの意味でも使われます。完全に知っていて、絶対に迷わないという自信があるなら案内人などいなくても特に問題はないでしょうが、完全にはわかっていないこととなると、案内をしてくれる人がないないと不安で仕方がありません。
私の出身の臨床栄養、スポーツ科学の世界では、今でこそ常識として語られることばかりですが、少し前の常識とは違っていることが数多くあります。臨床栄養で言えば、戦後直後(77年前)には糖尿病の患者に砂糖が与えられたり、腎臓病の患者にたんぱく質が与えられることがありました。オシッコから出ているものを補おうということで、病院で医師が約束食事箋(食事の処方箋)で栄養士に指示していた時代もあったのです。これでは病状を悪化させることになります。
そんな古い話を持ち出さなくても、新たな発見(というか以前の間違い)は常に目にしています。日本メディカルダイエット支援機構では、国や研究機関、団体、大学、企業などの研究成果をピックアップして、専門家に送るサービス(毎週1回だけですが)をボランティアで12年以上も続けています。ちょっと前に送った研究成果と、今回の送信内容が違っていることも珍しくありません。
常に新たな情報を入手して分析していないと、古い情報となるだけでなくて、間違いを伝えることにもなりかねません。そのため、「健康情報メール」を発信している400人以上の中の専門家(約300人)は、私たちの情報発信を愛読書のように見てくれています。そして、前と違ったことがあると、すぐに反応があります。そんな状況なので、情報検索も分析も気を抜くことができないのです。
情報を基にして考え、行動を起こしたことは、その情報に変化があれば考えも行動も変えなければならないのは当然のことです。新たな情報を得ていないと仕事ができないことがある一方で、医師は資格に更新がないので、古い情報のまま仕事をしている人がいるのは事実です。
命に関わることだけに、もっと情報を得て、勉強をしてほしいと願っても、そのとおりになっていない医師がいることも事実で、せめて付き合いのある医師や研究者だけでも変わってほしくて、「健康情報メール」を送り続けているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)