健康食品は効果を目的として複数の成分を組み合わせて作ることがあるのに対して、医薬品は一つの働きのために一つの成分を使っています。複数の作用が必要なときには、別の医薬品を組み合わせて使うというのが医薬品の特性です。だから、医薬品は多くの種類が出されて、患者や家族を驚かせることにもあるのです。
医薬品はプラスの効果があって、足し算で有効性が得られるということですが、副作用については掛け算となります。わずかな副作用であっても、複数の医薬品が重なってくると掛け算で弊害が出ることになります。そのため、医薬品の安全性の確認では、一般的に組み合わされて使われる成分の掛け合わせ検査が行われます。
これについては医薬品成分に限らなくて、化学成分でも食品添加物でも有害性があるものは掛け算で弊害が出ることがあり、それを想定して使用量を減らすことが大切になります。ただ、食品添加物は一緒に使われることが多いものであっても、掛け合わせ試験が行われていないという現状があります。
話を健康食品に戻すと、健康食品の成分は効果を得るためには一定の分量が必要で、これを下回っていたら期待する効果は得られないことになります。これでは無駄なものを加えていると指摘されても仕方がないことになります。
無駄になるだけでなく、せっかくの効果をマイナスにさせる組み合わせもあります。難消化性デキストリンは機能性表示食品の人気成分で、多くの健康食品に使われています。
余分な脂肪を吸着したり、有害物質を吸着して吸収されないようにする作用があるのですが、吸着するのは吸収を減らしたいものだけではありません。健康食品の成分も、食品に含まれる栄養素も、その一部が吸収されにくくなります。
ほかにも加えたことによって、マイナスになることもあるので、素材の性質を知っておかないと価格に見合わない商品を選ぶことになりかねません。