「日本の常識は世界の非常識」というのは今では当たり前の言葉として普通に慣用句として使われていますが、この言葉を広めたのは竹村健一さんで、このテーマの書籍が数多く発行されました。そのうちの一冊の制作に関わったのですが、著者は、どんなに忙しくても自分で書くということを売り物にしていました。よほど忙しかったのかゴーストラーターとしての参加で、これまでの書籍と資料を渡されて、2週間後の原稿締め切りを言い渡されました。
これは過去184冊のゴーストライター歴の、たった一つの話ですが、いくら契約で誰の代わりに書いたのかは言えないとしても、著者自身が書いたということになっている書籍は、言葉づかいも文字変換(漢字とひらがな、カタカナなどの使い方)も改行も絶対に他の人が携わったとわからないようにしなければならないというので、ギャラが高かったことを覚えています。
日本の常識は世界では常識ではないというのは、日本国内では常識は常識のまま続くということを前提としていて、その当時の常識では銀行が潰れることもなければ、日本の工業製品が海外で売れなくなることも、海外から燃料や食料が入ってこなくなる、日本がアジアの国々に買い負けすることはないという前提でゴーストライターとして書き続けてきました。
それが常識ではないことは今では誰もが知っていることで、「日本の常識は世界の非常識」ではなくて「かつての常識は今は非常識」、「今の常識は明日は非常識」ということも起こり得る時代です。昨日、元気で選挙の応援演説をしていた国の元代表が、翌日には射殺されるということが起こり、絶対に使えると思っていた携帯電話が使えない、一部であってもATMが使えない、明日来るはずの荷物が届かない、という非常識(?)が起こりました。
そして、連立政権を組んでいる政党の推薦を受けなければ当選できないという、かつての常識を一人だけ覆した地域選出の参議院議員が現れました。まだまだ今の常識が非常識になる時代を目の当たりにするはずです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)