運動をするとエネルギー代謝を高めるために鉄が多く必要になります。そのために運動をするほど体内の鉄が減るようになります。鉄は赤血球の構成成分で、酸素を運ぶ役割があります。この酸素を使って、細胞の中のミトコンドリアでエネルギーを作り出すときにも、補酵素として鉄が必要になります。エネルギー代謝を高めてダイエットを考えるときには、鉄の補給も考えなければならないわけです。
運動をすると他の理由でも鉄が不足するようになります。運動をして筋肉が増えていくときにも補酵素として鉄が必要になります。筋肉が増えていくときには鉄が必要になるということですが、鉄が不足していると筋肉を強化する運動をしても、思ったように筋肉がついていかないことになります。
スポーツ貧血という言葉があります。これはエネルギー代謝が高まることによって鉄が不足することを一般には指しているのですが、運動をすると血液の流れがよくなり、赤血球が受ける摩擦刺激が強くなります。そのために破壊される赤血球が増えることから、酸素の供給量が低下するということです。
スポーツ貧血が起こりやすいは成長期の子どもです。成長期には筋肉が増えることと、成長のためにエネルギーを多く作り出さないといけないために鉄が必要になるためですが、そんな状態でスポーツをすると大きく鉄が不足することになります。
成長期にもスポーツをするときには、神経伝達物質のドーパミンとセロトニンが多く必要になります。興奮系の活動にはドーパミンが多く必要で、興奮状態を抑えるためにはセロトニンが必要です。ドーパミンとセロトニンが体内で作られるときには補酵素としての鉄が必要になります。
鉄は年齢に関わらず不足しやすいだけに、食事だけでは補給できない場合も多いことから、心当たりがある人はサプリメントの使用も考えるべきです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)