高濃度の茶カテキンには体脂肪低減効果があるということで特定保健用食品となっています。特定保健用食品は、その製品を用いて試験をした結果を裏付けとしているものです。機能性表示食品は製品を用いての試験だけでなく、研究論文を裏付けとして示すことでも認められるので、より厳しい審査を受けているのが特定保健用食品ということができます。
体脂肪の低減は摂取エネルギー量を減らすか、消費エネルギー量を増やすことによって得られる効果ですが、高濃度茶カテキンの摂取の場合には脂質の吸収抑制作用と糖質の吸収抑制作用による摂取量の低下に相当します。脂質と糖質を多く摂っている場合に吸収抑制の効果が得られるということで、食事での糖質と脂質の摂取が少ない人のための製品ではないということになります。
脂質代謝を高める効果も研究成果として認められていますが、その研究では週3回のウォーキングを継続した人の結果です。飲むだけに何もしなくても脂質代謝が高まって、体脂肪を減らすことができるものではないのです。
試験対象者をみると、BMI(体格指数)が高い人となっています。BMIが低い人は効果が得にくいということです。摂取を考えるときには、自分のBMIが高いのか低いのかを知っておくことが大切になります。
特定保健用食品も機能性表示食品も疾病のある人は試験対象から外されていますが、高濃度茶カテキンの場合には肥満1度も外されています。肥満1度というのは、BMIが25以上で、これは身長が160cmなら体重が64kgに相当する人です。ここまで太ってはいない人での試験結果であって、肥満の人には効果が出にくいということです。
高濃度茶カテキンは内臓脂肪と腹部の皮下脂肪を減少させる結果が得られていますが、それは12週間(3か月)の継続摂取の結果です。短期間での効果は期待されていないわけです。
高濃度茶カテキンは非常に苦いもので、通常では飲用には向いていません。それが飲める程度の味になっているのは、シクロデキストリン(環状オリゴ糖)の中に入れ込むことで、舌を刺激する部分が少なくなっているからです。小腸でシクロデキストリンが腸壁に触れて、高濃度茶カテキンを吸収させるというメカニズムになっています。