発達障害は幼児期では、周囲にあまり興味を持たない、コミュニケーションを取るのが苦手、強いこだわりを持つといった特徴がみられます。
言葉を話し始めた時期は遅くなくても、自分の話したいことしか口にせず、会話がつながりにくいことがしばしばあります。また、電車やアニメのキャラクターなど、自分の好きなことや興味のあることには、毎日何時間でも熱中することがあります。初めてのことや決まっていたことの変更は苦手で、なじむのにかなり時間がかかることがあります。
児童期では、集団になじむのが難しい、臨機応変に対応するのが苦手、「どのように」「なぜ」といった説明が苦手といった特徴がみられます。
この他に、刺激に対する感覚の偏り(感覚過敏、感覚鈍麻)や睡眠障害などの行動上の問題が特徴として現れることがあります。
思春期では、不自然なしゃべり方をする、他人の気持ちや感情を読み取るのが苦手、雑談が苦手、興味のあるものにはとことん没頭するといった特徴がみられます。
青年期になると、自分と他の人との違いに気づいたり、対人関係がうまくいかないことに悩んだりして、不安症状やうつ症状を合併する場合があります。就職してから初めて仕事が臨機応変にこなせないことや職場での対人関係などに悩み、自ら障害ではないかと疑って病院を訪れる人もいます。成長とともに症状が目立たなくなる人や、能力の凸凹をうまく活用して社会で活躍する人もいます。
自閉症スペクトラム障害では感覚過敏と感覚鈍麻が特徴的に現れますが、感覚過敏は体調や気分によって大きく左右されます。同じ感覚刺激であっても体調や緊張、不安などによって感覚過敏が出やすくなる傾向があります。