整えるダイエット6 筋肉の種類による特徴

筋力というと、一般には筋収縮力を指しています。筋収縮力は、筋肉が収縮して大きな力を発揮することです。重いものを持ち上げる力で、筋収縮力を強化するためには重いものを持ち上げる筋トレ(筋肉トレーニング)が効果的です。

筋力には、このほかに筋持久力と筋代謝力があります。筋持久力は筋肉の持久力のことで、筋収縮力が長く続けられる能力を指しています。筋収縮力が強いということは白い色をした白筋の割合が多く、速筋とも呼ばれるように瞬発力には優れているものの、持久力はないとされています。持久力に優れているのは赤い色をした赤筋で、これは遅筋とも呼ばれています。

白筋と赤筋は特性が違っていますが、筋繊維(筋肉細胞)は白筋と赤筋が別々に存在しているわけではなくて、白筋と赤筋の筋繊維が混ざり合っています。白筋の割合が多いと瞬発力が強くなり、赤筋の割合が多いと持久力が強くなります。筋繊維の本数と割合は、誕生したときから変わりはなくて、瞬発系の運動をすると白筋が太くなっていきます。それに対して、持久系の運動をすると赤筋が太くなっていきます。

筋収縮力が強くて、筋持久力も強い筋肉は、白筋も赤筋も太い、鍛えられた筋肉ということになります。そのように鍛えるためには、瞬発系の運動と持久系の運動の両方をしなければならないので、実際には時間もかかり、努力を重ねていく必要があるということです。

もう一つの筋代謝力は筋肉が作り出すエネルギーを増やす力です。白筋はブドウ糖を主なエネルギー源にしていて、血糖値(血液中のブドウ糖の値)を下げるためには瞬発系の運動が必要です。それに対して、赤筋は脂肪酸を主なエネルギー源にしていて、中性脂肪値を下げるためには持久系の運動が必要です。

筋繊維の中で作り出したエネルギーは、筋肉の動きをよくするためにも筋肉を増やすためにも使われます。瞬発系と持久系の運動によって鍛えられる筋繊維が違っているので、これを見ても両方の運動が必要だということがわかります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)