脳の健康寿命111 動脈硬化の判定基準

脂質異常症のうち、LDLコレステロール値が高くなった場合は高LDLコレステロール血症と呼ばれます。

血液検査では、LDL(低比重リポ蛋白)とHDL(高比重リポ蛋白)の値が調べられます。LDLは一般には悪玉コレスロール、HDLは善玉コレステロールと呼ばれるものです。

コレステロールや中性脂肪は、脂肪であることから、そのままでは水に溶けにくい分子構造となっているため、親水性のタンパク質と結合してリポ蛋白として血液の中を流れています。コレステロールはLDLやHDLなどによって血液中を輸送されています。LDLはコレステロールを全身に運ぶ役割をしていて、HDLは血液中の多くなりすぎたコレステロールを肝臓まで運ぶ役割をしています。

LDLコレステロール値は、各人の状態(リスクの数)によって目標値が異なります。心臓病を起こしたことがない人(一次予防)で、LDL以外の危険因子がない低リスク群の場合にはLDLコレステロール値は160mg/dl未満、危険因子が1~2の中リスク群の場合には140mg/dl未満、そして、危険因子が3以上の高リスク群の場合には120mg/dl未満となっています。

心臓病を起こしたことがある人(二次予防)では、より厳しく管理して再発を防ぐために、LDLコレステロール値は100mg/dl未満とされています。これほどの差があるのは、それだけ動脈硬化のリスクが高いということです。

LDLコレステロール値は状態によって差はあるものの、どの段階においても、HDLコレステロール値は40mg/dl以上、中性脂肪値は150mg/dl未満となっています。