自閉症スペクトラム障害
幼児期に診断された場合には、個別や小さな集団での療育を受けることによってコミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことが期待できます。また、療育を経験することによって、新しい場面に対する不安が減り、集団活動に参加する意欲が高まります。
言葉によるコミュニケーションに頼りすぎず、視覚的な手がかりを増やすなどの環境面の工夫をすれば、子どもの不安が減り、気持ちが安定し、パニックが少なくなることが期待できます。
幼児期から成人期を通して、身近にいる親などが本人の特性を理解していることがとても重要です。それによって本人が安心するだけではなく、親から教師、上司などに対して特性を伝えることによって、本人にふさわしい学校や職場環境が整い、支援の輪が広がっていきます。
注意欠陥・多動性障害
幼児期や児童期に診断された場合には、行動変動や生活環境の調整が行われることが多くなっています。生活環境の調整としては、勉強などに集中しないといけないときには本人の好きな遊び道具を片づけ、テレビを消すなど、集中を妨げる刺激をできるだけ周囲からなくすことが重要です。
また、集中しないといけない時間は短めに、一度にこなさなければいけない量は少なめに設定して、休憩をとるタイミングをあらかじめ決めておくことも効果的です。
自閉症スペクトラム障害と同様に、親をはじめとする家族が注意欠如・多動性障害に対する知識や理解を深め、本人の特性を理解することが、本人の自尊心を低下させることを防ぎ、自分を信じ、勉強や作業、社会生活への意欲を高めることにつながります。
学習障害
学習障害の子どもに対しては、教育的な支援が重要になります。読むことが困難な場合は大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読んだり、書くことが困難な場合は大きなマス目のノートを使ったり計算が困難な場合は絵を使って視覚化するなどのそれぞれに応じた工夫が必要です。
親と学校とが、子どもにある困難さを正しく理解し、決して子どもの怠慢さのせいにしないで、適切な支援の方法について情報を共通することが大事です。