免疫を高めるためには多くのエネルギーが必要で、そのエネルギー源は糖質(ブドウ糖)と脂質(脂肪酸)です。全身の細胞は60兆個とされていますが、これは全身を構成する細胞だけでなくて、血液中を流れる赤血球と白血球も含まれています。
赤血球は1ℓあたり500万個とされていて、血液量は体重の13分の1なので60kgの人の場合は4.6ℓとなります。これで計算すると2300万個です。白血球は1ℓで400万〜900万個なので、全体で1840万〜4140万個です。60兆個と比べたら、わずかな数でしかないことになります。
全身の細胞にはエネルギー源を取り入れて、エネルギーを作り出すミトコンドリアがあるので、赤血球にも白血球にもミトコンドリアがあると思われがちです。しかし、赤血球にはミトコンドリアはありません。ミトコンドリアでは酸素を使ってエネルギー代謝を行っていますが、赤血球は酸素を全身に運ぶ役割をしているので、酸素が使われないようにミトコンドリアがありません。ということは、赤血球ではエネルギー代謝は行われていないということです。
免疫を司る白血球は多くのエネルギーが必要で、ブドウ糖と脂肪酸を材料にしてエネルギー代謝が行われています。ミトコンドリアにブドウ糖を取り込むときにはα‐リポ酸が、脂肪酸を取り込むときにはL‐カルニチンが必要になります。ともに体内で合成されていますが、そのピークは20代前半です。それ以降は年齢を重ねるにつれて合成量が減り、これがエネルギー代謝を低下させることになります。
特に重要なのは多くのエネルギー量がある脂肪酸の代謝で、エネルギー量はブドウ糖が1で約4kcal、脂肪酸が1gで約9kcalとなっています。そのため、L‐カルニチンが不足すると、白血球の中で作られるエネルギーが減り、白血球の活動も低下することになります。免疫は白血球が司っているので、どれだけのエネルギーが作り出されるかが免疫力の差になっているのです。
L‐カルニチンは以前は医薬品の成分でしたが、今では食品の成分としても認められて、サプリメントとして摂ることができるようになっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)