日本の医療制度では、いきなり大病院に行くのではなくて、地域の医療機関で診察を受けて、大病院を紹介されるのが普通のことです。いきなり大病院を受診すると、特別料金として初診では5000円、再診では2500円が別に請求されます。
紹介状があれば、患者の基本情報や症状、治療と投薬の状況などを知ることができて、一から調べ直すことがないことがメリットとしてあげられています。これを聞いて、疑問も湧いてきます。紹介状がなければ、特別料金がかかるだけでなくて、これまで受けた検査と同じ検査を受けることになり、これまでの検査結果は使えないことになります。
他の医療機関の検査結果を信じていないので、自分のところで実施した検査でなければ信じたくない、という気持ちを抱いている医療機関が存在しているのも事実です。
そのために余計な検査費用などがかかってしまいます。これは検査結果、治療結果は医療機関のもので、患者のものではないという考え方をしているからです。これに対してアメリカでは、検査結果、治療結果はお金を支払った患者のものなので、請求をすれば当たり前のように渡してくれます。
地域の小さな医療機関と地域を代表する大病院の連携といえば聞こえはよいのですが、担当する医師から別の医師に情報が伝わっているだけで、医師による医療が継続するわけではありません。連携する医療機関から、前の主治医が大病院に出向いて治療に参加するというのは、特別な状況でなければ許されることではありません。
これに対して、アメリカでは小さな地域の医療機関の医師が、そのまま主治医となって大病院の施設や医療スタッフを利用して、治療を続けることができる制度になっています。そして、大病院での治療が必要でなくなった段階で地域の医療機関が患者を引き取り、医療行為を続けるということができる仕組みになっています。
専門医が、よく知っている患者の面倒を見続けるという方法で、その制度のために、アメリカでは大病院の周りに各専門クリニックが並んでいるという光景は普通に見ることができます。経験があり、腕のよいベテランの医師が地域のクリニックにはいて、大病院の機能を利用して患者を一貫して見続けられるという、日本では考えられない制度になっているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)