バナナの食べ方といえば、軸の部分をポキッと折って、皮を剥いて、中身を先の方からパクッと食べるというのが普通の方法ですが、これはよくない食べ方です。安全のためのバナナの食べ方は、皮を剥いたら軸側の部分を3cm、先の部分も3cmをカットして、この部分を捨ててから中身を食べるという方法です。
小ぶりのバナナだと3cmずつ、合わせて6cmもカットしたら、随分と食べられる部分が少なくなってしまうのですが、なぜカットするのかというと、この部分から農薬が入り込むからです。軸は房の付け根の部分で、栄養成分を運ぶための穴があいています。先のほうは花が咲くところで、ここにも穴があいています。軸の穴に比べたら穴は小さいので、もう少しカットする部分を短くしてもよいのではないかという考えもあるかと思いますが、安全確保のためには長めにカットすることがすすめられます。
ここでいう農薬というのは、栽培のときに使われる農薬ではありません。また、プレハーベストと呼ばれる収穫直前に使われる除草剤でもありません。ポストハーベストと呼ばれる収穫後に使われる農薬のことです。ポストは後、ハーベストは収穫を指します。
日本ではポストハーベストは認められていませんが、海外から輸入される農作物にはポストハーベストが使われます。これは輸送中にカビの発生や腐敗を防止するための防カビ剤です。防カビ剤というと食品中に残ることがあるため、食品添加物に分類されています。
食品添加物といっても材料は農薬で、しかもカビは根を張るため、そこまで届くように浸透性が高い農薬が使われます。収穫後のバナナは防カビ剤の農薬のプールに浸けてから出荷されます。
農薬が残留するといっても、皮にだけ残るもので、皮を剥いて食べるから問題はないと言われることもあるのですが、軸と先の穴から通過しているので、この部分は食べてはいけない部分なのです。このことがあまり知られていないのは、バナナには防カビ剤の表示が免除されているのが原因です。バナナに使われている防カビ剤はフルジオキソニルといって、肝臓や腎臓への影響が指摘されています。
安全なバナナはないのかというと、価格は高くなるものの有機JASマークがつけられたものは、栽培時の農薬もポストハーベストも使われていないものです。これなら皮を剥いたバナナを、そのまま子どもにアーンさせて、食べさせることもできます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕