有酸素運動の代表といえばウォーキングですが、季節や気温、天候、時間によっては外出できないこともあり、歩くための準備や終わってからの着替えや汗の処理など自由に行うことはできません。日本ウオーキング協会の前身である日本歩け歩け協会のときに、「いつでも、どこでも、どんな格好でも」というスローガンを掲げましたが、“いつでも”“どこでも”とはいかないのが実際のところです。
運動としてウォーキングを実践しているのは年齢が高めの人が多く、高齢者は筋力や膝関節の状態によって、生活習慣病の改善のための指示されたとおりに歩けないこともあります。その生活習慣病も患者や予備群が増えてきて、年齢を重ねるほど生活習慣病が多くなる傾向があることから、生活習慣病の改善に役立つはずのウォーキングが身体の負荷を強めて、かえって危険なことにもなりかねません。
生活習慣病患者・予備群が多い高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)は、どれも血管にダメージを与える疾患だけに、歩くことによって血流が盛んになることが心疾患(心臓病)や脳血管疾患を引き起こすことにもなります。
ウォーキングの有効性を認めて、その普及にも努めている立場としては、このようなことを書くのもどうかとは思うのですが、それよりも手軽に実施できて、コントロールが効きやすく、効果が出やすい有酸素運動があれば、そのほうがよいという方も少なくありません。
そんな希望に合わせて短い時間でも実施できて、気が向いたときに始めて、結局は長時間できる有酸素運動として私たちがすすめているのは「バウンド運動」です。これは一般にバランスボールと呼ばれているものを使った、バウンドによる有酸素運動を指しています。
(バウンド運動のきっかけについては次回に紹介します。)
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕