ダイエットのための食事は基本的には腸内環境を整えるためにプラスになるものです。ところが、若い年齢層で、運動をしている人の場合には肉の摂取量が多いことから、その量を大きく減らすことはありません。肉といってもダイエットを目指しているので脂肪が少ない部分を選ぶ、脂肪をカットして食べるということをしています。
腸内細菌の悪玉菌は、脂肪と動物性たんぱく質を主な栄養源(エサ)としているので、肉の食べすぎは悪玉菌を増やす原因になります。脂肪を減らしても、肉は動物性たんぱく質であるので、悪玉菌を増やす要因になります。腸内細菌は総数がほぼ決まっていて、悪玉菌が増えると善玉菌が減っていきます。逆に善玉菌が増えると悪玉菌が減ります。
善玉菌を増やすために乳酸菌が含まれた乳製品を食べることを心がけても、悪玉菌を増やす食生活をしていたら、なかなか善玉菌は増えてくれません。そこで善玉菌の栄養源を増やすことになりますが、それは糖質と乳製品の乳糖、食物繊維です。食物繊維は胃では消化されないものの、大腸内では腸内細菌によって分解されて、善玉菌の栄養源となります。
ダイエットに効果があるとして実施される糖質制限では、どうしても栄養源が不足して善玉菌が増えにくくなります。
肉よりも魚のほうがダイエット効果があるように思われても、脂肪のエネルギー量は1gあたり約9kcalと、1gあたり約4kcalの糖質の2倍以上のエネルギー量になっています。脂肪が多いものは肉でも魚でも同じエネルギー量です。動物性たんぱく質ということでも同様です。その点、植物性たんぱく質の大豆・大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)には脂肪も少なめで、善玉菌の栄養源として適しています。
こういった腸内細菌のことも踏まえて、ダイエットのための食事の内容を考えるようにする必要があります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)