発達栄養学は、発達障害児を支える保護者に覚えてほしいことです。子ども食堂のように、実際の食事を提供して、栄養不足や栄養の偏りを修正することは不可能ではないのですが、多くの子どもを対象にして実施するのは大変な苦労と実施体制が必要です。
というのは、発達障害のために抱えている食の困難さは、五感(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)だけでも、それぞれ反応が異なり、1クラス分の発達障害児がいたとして同じ状態の子どもがいることは稀だからです。また、状態が同じでも(酸っぱいものが食べられない、食感が刺激的など)、そのレベルが個人によって違っています。
その状態もレベルも日によって変化する、料理の内容によって反応が異なるということがあって、これが正解というものを示すことができない状況だからです。
このようなことから、子どもの状況を知っていて、日々の変化を察知して、その変化への対応が細かくできる保護者でないと、極端な偏食によって食べられないものを少しでも食べてもらう、どうしても食べられないものがあるときには代わりの食材、調理法、食べさせ方の工夫をするということができなくなります。どうしても直接支援ではなくて“間接支援”にならざるを得ないのです。
そのための状況把握、対応法などについては講習として学んでもらい、困難さを抱える子どもを支援する保護者を支援するという、「支援する人を支援する」という形で進めていくしかないのが発達栄養の限界であり、役割でもあるということです。
ただ講習をするだけでなく、質問にも応じ、子どものためのアドバイスを実施します。どんな質問をしてよいのかわからないという保護者がいるのも事実です。その支援のために、いろいろな問題点を提示することを目的として、日本メディカルダイエット支援機構のサイトで「発達栄養」の連載を始めました。
このテーマでは、まだ少ないのですが、発達障害に広く関わる情報は、「最新情報」の中だけでも800本以上を詰め込んでいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)