エネルギー代謝41 代謝は体内の化学変化

エネルギー代謝は、エネルギー源(脂肪酸、ブドウ糖、アミノ酸)をエネルギー化させることで、その役割をしているのは細胞の中にあるミトコンドリアです。ミトコンドリアには、TCA回路というエネルギー産生の器官があります。

脂肪酸、ブドウ糖、アミノ酸はミトコンドリアの中で化学反応を起こして、アセチルCoAという化合物に変わります。このアセチルCoAがクエン酸となります。TCA回路ではクエン酸をスタート地点として9段階の変化をして、一回りをするとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られます。

教科書的にも、そのような説明がされているので、TCA回路ではATPが新たに作り出されるようにイメージされることがあるのですが、いきなりATPが発生するわけではありません。

ATPはアデノシンに3つのリン(P)が結びついた形をしています。だから、アデノシン三リン酸という名前になっています。アデノシンに2つのリンが結びついたADP(アデノシン二リン酸)があって、TCA回路の9段階の変化の末にリンが1つ結びついてATPになります。

ややこしい話かもしれませんが、ADPがATPになってエネルギー物質となります。そして、ATPからリンが1つ外れてADPになるときにエネルギーが発生します。そのときにはATP分離酵素が働いて、水(H₂O)を使った加水分解が起こっています。そのときに発生するエネルギー量は7.3kcalとされています。

1回の反応では、わずかのエネルギー量であっても、数が多いことで、1日に必要なエネルギーを発生させることができます。エネルギー代謝は、このような化学反応の結果で、細胞の中で作られたエネルギーは、その細胞の中だけで使われています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)