エネルギー代謝42 ダイエットは生活習慣病対策

ダイエットというと“やせる”という印象があり、やせるために食べる量を減らすという意味で使っている人もいます。しかし、ダイエットのもともとの意味は「方針、戦略、作戦」などで、その意味が正しく使われているのは国会(The Diet)です。

正しい方針に基づいて、正しい行動をするのがダイエットであり、そこから正しい食事をする食事療法、必要な運動をする運動療法がダイエットと呼ばれるようになりました。少なくとも無理をして食事を減らしすぎるような身体にダメージを与えるような方法をダイエットと呼ぶことはできません。

食事療法は生活習慣病の高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)を改善するために行われています。本来なら、治療が必要な状態になる前の段階で、食事療法に基づいた食生活の改善をするべきです。そして、生活習慣病のリスクが高い状態から、元の健康状態に戻るようにしたいものです。

運動療法は、ただ身体を動かせばよいということではなくて、生活習慣病の内容に合わせた効果的な運動をすべきです。無酸素運動はブドウ糖をエネルギー化するので、血糖値(血液中のブドウ糖の値)が高い人に向いています。

では、有酸素運動は効果がないのかというと、そんなことはなくて、例えばウォーキングは初めの10〜15分間はブドウ糖の消費が大きく進みます。というのは、ブドウ糖は素早くエネルギー化するため、身体に負荷がかかったときにはブドウ糖が多く使われます。ブドウ糖が主にエネルギー化される時間は長くは続かないので、その後は脂肪酸が主なエネルギー源となります。

ウォーキングは、糖尿病にも脂質異常症にも有効な運動療法になるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)