筋肉は赤筋と白筋があって、赤筋が有酸素運動による持久力の筋肉、白筋が無酸素運動による瞬発力の筋肉となっています。この筋肉が繊維状になって、混ざり合って存在しています。持久系の運動をすると赤筋が太くなり、瞬発系の運動をすると白筋が太くなります。これは人間の筋肉の特徴です。
赤筋が赤い色をしているのは筋肉に含まれるミオグロビンという筋肉色素タンパク質が多く含まれているからで、ミオグロビンには鉄が多く含まれています。鉄には酸素を結びつける機能があって、酸素を取り込んで代謝させる作用をしています。
人間の筋肉に含まれるミオグロビンは2%ほどですが、牛肉の赤身肉は0.8%、豚肉は0.2%、鶏肉は0.005%となっています。鶏肉は赤身肉というよりも薄いピンク色で、白色に近いのはミオグロビンが少ないからです。その理由は、鶏が飛ばない鳥だからです。飛ぶ鳥の肉は豚肉に近い色をしています。飛ぶ鳥の肉の色は居酒屋の焼き鳥で見ることができます。
動物は一定の活動をしているので、人間のように活動によって筋肉の色が変わるようなことはありません。魚の筋肉も種類によって色が違っています。魚は赤身魚と白身魚に大きく分かれます。赤身魚は長く泳ぎ続けている魚で、赤身にはミオグロビンが多く含まれている(0.15%)ので、酸素を多く取り込んで遠泳することができます。
白身魚は普段はあまり動かず、餌を獲るときや逃げるときに素早く動くことができます。激しく動くことがないのでミオグロビンが少なく(0.01%)、白い色をしています。そして、瞬発系の白筋と同じような動きをすることができます。
人間の筋肉の特性を覚えるときには、肉や魚と比較して考えることをすすめています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)