発達栄養講習9 感覚過敏だけでない牛乳が飲めない理由

牛乳が苦手という子どもは、色や味、喉の通り方といった五感に関する理由だけでなく、牛が怖いから、臭いで嫌な思い出があるからということで飲めなくなったということもあります。

この記憶のために、感覚過敏の反応が強く現れることもあります。牛の絵を見ただけで嫌な思い出が蘇り、牛乳は飲めてもパッケージに牛が描かれていると飲めないという例や、友だちが牛乳を吐いたことがあり、その記憶から飲めないという例もあります。

さらに牛乳パックでストローから牛乳が吹き出して手が汚れたことを経験してから飲めなくなったという例もあります。親が牛乳を料理に混ぜていることがわかり、隠して入れたことに不信感が高まり、家庭でだけ牛乳が飲めない状態が続いているということもあります。

感覚過敏は視覚や聴覚、嗅覚が過敏であるために、刺激的な記憶が起こりやすく、強く記憶に残ってしまうこともあり、このような状態では一般的な食事指導や食べ方指導では対処できなくなっています。

学校では牛乳を飲めるのに、家庭では親に叱られるなどした記憶から飲めないということもあります。また、学校では他の子どもは飲めているのに、自分だけが飲むのに時間がかかる、飲めないということは、その子どもにとって大きなプレッシャーになります。このプレッシャーが偏食を強めることも多くなっています。

こういったことは自閉症スペクトラム障害の感覚過敏だけが原因ではなく、注意欠陥・多動性障害など他の発達障害でも起こりやすいことでもあります。そのことを周囲から責められるようなことがあると、もっと苦しさを感じることにもなるため、そのことは親や教師なども気づいてあげて、すぐに対処するべきこととしてあげられます。

しかし、その理解ができないことには、対処のしようもありません。牛乳だけでも、これだけの課題と改善点があるので、料理を作り、一緒に食べる家族には困難さがあるのは充分に理解していますが、さまざまな場面を一つずつクリアしていくことが求められているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕