健康・火の用心15 デジタル・ファスティング

ファスティング(fasting)というと日本語訳は“断食”となるので、何も食べないこと、口に入れられるのは水分だけというようなイメージで捉えられることもあります。完全なファスティングは一定期間(24時間とか)は固形物を食べず、飲み物だけ、それもジュースではなくて水と酵素などだけという限られたものとされています。そのために、何日も続けて行うことはできません。

それに対して、16時間ファスティングと呼ばれる方法もあって、1日24時間のうち16時間だけ食事を断って、それ以外の時間は食事をしてよいというものです。例えば、朝の7時に起床して、すぐに食事をするところを飲み物だけにして、他の2食(昼食と夕食)は普通に食べてよいというものです。

このファスティングの目的は、食事をすることによって働く消化、吸収に関わる臓器などを休めて、全身の機能回復をはかろうとすることです。これと同じ考えで、食事を電子機器に置き換えたのがデジタル・ファスティングです。

これなら16時間に限らず、何日でも実施できそうですが、携帯電話もメール、LINE、messengerなど緊急を要する連絡があることことを考えないといけないので、すべてをカットされた入院生活のようなことはできないのは承知しています。そこで緊急以外のデジタル画面は見ない、使わないということを1日やってみるということをします。このデジタル・ファスティングにはテレビ画面も含まれます。

こういったことを避けた時間を1日に何時間か設けることで、心身ともに休めるだけでなくて、余計なことに気を奪われずに考えることに時間を充てるという重要なことにも時間を使うことができます。時間の余裕を持つことことがデジタル・ファスティングの目指すところであって、余った時間を新たなことに充てるという上手な時間の使い方をするのもデジタル・ファスティングに求められることです。

デジタル・ファスティングを会社や団体でやってみると、これまで進まなかったことがスムーズに前進できたということも実際に起こっていることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕