料理は、一つひとつの素材を味わうものではなく、複数の素材の味が混ざり、それを調整する調味料によって、特有のおいしさが引き出されます。中でも煮物は、素材のおいしさを引き立たせてくれるものです。
ところが、発達障害がある場合には、煮物は一つひとつの食材は食べることができても、肉、じゃがいも、ニンジン、タマネギが一緒に煮込まれて出てくると、味が混じることで食べられない、食材の味がわからなくなるから食べられないということがあります。
そのために、食材を目で確認して選択して食べられる肉じゃがは大丈夫でも、同じ食材が使われたカレーやシチューは食べられない、食べるように言われることに耐えられない、ということも、よくみられることです。
発達障害があると視覚にも敏感で、揚げ物、炒め物、煮物、焼き物などの茶色の料理が嫌という子どもがいれば、鮮やかな色が落ち着かない、気持ち悪いという反応をする子どももいます。また、嗅覚にも敏感で、苦手な料理の匂いがするだけで気持ちが悪くなるので、単品しか食べられない、他の人と一緒に食べられないという例があります。
口の中で発する音が嫌で食べられないという聴覚の過敏や、味覚と温度が一致しないと食べられないという例もあります。
味覚過敏と並んで極端な偏食など食事に影響を与える触覚過敏、視覚過敏、聴覚過敏、嗅覚過敏の特性も知っておくことも大切になります。
野菜が食べられない子どもも多数いて、その理由が一つではないことから、調理の工夫だけでは対応できないことが少なくありません。不足する栄養素をサプリメントや栄養補助食品から摂ることを願っている保護者も多く、それに対応する指導を求められる機会が増えています。
栄養学の立場ではサプリメントを使うことなく改善したいという考えがあり、一方でサプリメントを推奨する立場では早期に使い始めたいという考えがあるのは承知しています。しかし、発達障害児の特性を理解すれば、それぞれの主張は見直す必要があり、どこまで譲り合うかの判断も重要になってきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕