健康・火の用心18 健康のためのミニマリズム

ミニマリズム(minimalism)は、最小限(minimal)と主義(ism)を組み合わせた造語で、要素を最小限まで切り詰めようとする行動を示しています。その分野は芸術、音楽、建築、文学、哲学など多岐にわたっていますが、これを生活そのものに取り入れようとするミニマリストから、私たちのように健康づくりの考え方として提唱するところまで、どこまでが範囲と定義するのが難しいくらいの広がりがあります。

広がりというのは活動面のことであって、生活面では広げるのではなく、どこまで狭めていけるのか、それで快適に、楽しく過ごせるのかを追求していくことと捉えています。

以前にお笑いのネタに「生活感のない部屋に憧れて、いらないものを捨ててみました。生活できなくなりました」というのがありましたが、生活ができなくなったのでは仕方がありません。

無駄なものを無理なく減らして、できた空間や時間を有効に使おうというのが正しいのではないかという考えをしています。極限まで減らして、お付き合いを切りまくるというのではなくて、できた時間を有効な付き合いに充てたいとの思いです。

健康によいことはわかっていても、運動をする時間がない、リラックスする時間が取れないということを言うのではなくて、自分にとってプラスになることにかける時間を作り出すこと、そのために無駄なことを切り詰めるのが健康づくりのためのミニマリズムと認識しています。

狭い室内なので、運動をする空間がないと思っていたのに、片付け上手を目指したら、運動のための空間も時間も作ることができました。片付けたことでスッキリしたということではなくて、そのことをきっかけにして何ができるか、自分のためだけでなくて周囲の方々のために何ができるのかを考え、実践してみるというのが、健康ミニマリズムのスタートではないかと認識しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕