Medical Diet152 早食いと生活習慣病の関係

生活習慣病の予防のための生活の注意点を見てみると、その多くに“早食い”があり、早食いを戒める内容となっています。生活習慣病のリスクを高める食事内容としては、高血圧では食塩過多、糖尿病では糖質過多、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)では脂質過多ということが言われます。

早食いだと、満腹中枢が働く前に多くの量を食べる傾向があり、食べる量が増えれば食塩、糖質、脂質を多く摂るようになるのは当たり前のことと考えられています。食べる量が決まっていて、それ以上は食べられないという状況なら、そのようなこともないのでしょうが、早食いの人は食事だけで満腹を感じにくくて、余計にデザートを食べたがる傾向もあるので、ゆっくりと食べて、決まった量で満足するように言われます。

満腹中枢は血液中のブドウ糖の量に比例して高まりやすく、満腹を感じて食欲にストップがかかるまでには食事を始めてから10〜15分はかかります。これよりも早く食べると、食べている量が多くても満腹を感じにくくなり、どうしても余計に食べたくなります。

糖尿病の予防と改善には糖質制限が効果があると言われるものの、満腹中枢の働きを考えると、ブドウ糖が含まれる糖質を食べないことによって血糖値が上昇しないことから、お腹を膨らませて満腹を感じるような食事内容になりがちです。

そのときに多く食べてしまうのは肉類になりがちで、健康の維持に必要なたんぱく質は摂れるとしても、同時に脂肪も多く摂ることになります。それが太る原因になるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めることにもなります。それも脂質異常症だけでなくて、高血圧にも糖尿病にも関係してきます。血圧は太ることでも上昇します。血糖値はブドウ糖だけが原因ではなくて、脂肪の摂取が多くても血糖値が上昇して、糖尿病の引き金になることもあるからです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)