あくまでも噂話89「健康ウォーキング」

ウォーキングの総本山といえ日本ウオーキング協会で、過去に主導権争いが何度かあったのは、ここを押さえれば“勝利は間違いなし”という存在だったからです。都道府県単位に協会(例えば岡山県ウオーキング協会)があり、その下に地域協会(例えば岡山徒歩の会)があって完全なピラミッド化が構成されています。一時期不祥事があり、「日本ウオーキング協会 不祥事」で検索すれば何があったのかわかります。

その不祥事で全役員が辞任して、空席を狙って権謀術数がありました。日本ウオーキング協会は前身の日本歩け歩け協会として1983年に環境庁(現環境省)認可の社団法人として設立され、2000年に日本ウオーキング協会と改称して、2005年に厚生労働省の認可も受けて両省の共管となりました。“ウォーキング”は一般名称で、“ウオーキング”は同協会の固有名詞です。

健康づくりの基本は歩くことだということで、厚生労働省が乗り出してきたわけですが、私は当時は厚生労働省の健康局の下請け仕事をしていたので、ウォーキングを生活習慣病対策として取り入れることについて検討する場にも参加していました。そのことを知ってか知らずか、ウオーキングの総本山が分裂の危機に陥ったときに、両方の陣営からアプローチがありました。

両陣営ともに生活習慣病対策としてのウオーキングに力を注ぐということだったので、どちらが握っても健康ウォーキングは進むものと期待していたのですが、結局は新たな運営陣が握ることになりました。その陣営のトップは生活習慣病対策を重視した健康スポーツとしてのウォーキングを推進して、公益社団法人化させると言っていたのですが、公益法人としては認められず、一般社団法人となりました。

健康ウオーキングの推進のために健康ウオーキング指導士の資格認定講習を実施するというので、私が理事を務めていた日本健康スポーツ連盟の理事長から支援をするように言われて出向きました。当時の日本ウオーキング協会の役員が同時期に日本健康スポーツ連盟の理事を務めていたことも関係しました。

ところが、実際に取りかかってみると、生活習慣病の人がウオーキング大会に参加するときの運営側の注意点の講習はあっても、それぞれの生活習慣病に適した歩き方の指導の項目はなくて、結局は歩けば健康、もっと歩くようにすれば健康になるという考えが改まることはありませんでした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)