2か国の争いが世界的な食糧需給を狂わせ、急激な円安のために周辺の強国に買い負けして、価格上昇を止められない時代になっています。健康づくりの基本中の基本である食糧が手に入らないことには、これまでの健康づくりの手法を、そのまま続けてよいのかという疑問も湧いてきます。
ひょっとすると、私たちが続けてきた研究も指導も、まったく役に立たなくなる時代が迫っているのではないという危機感から考えていることがあります。
食糧は遠くの国から運ぶだけでなくて、国内流通でも高騰した燃料費が影響してきます。近くで採れる農作物、魚介類なら途絶えることはないと思いたいところですが、農機具を動かすのにも漁船を動かすのにも燃料が必要です。燃料費の高騰は、ほしがる国、人が多い国で起こることで、ほしがるのは人口が増えて、生産力が高い国です。
現在の世界人口は、2022年11月15日に80億人に達しました。2023年にはインドの人口が中国を超えて世界1になると予測されています。そのときの人口はインドが14億1823万人、中国が14億1196万人となり、この2か国で世界人口の35%を超えます。インドと中国だけで、3分の1以上の人口を占め、しかも経済力が大きく延びているので、燃料も食料も大きく増えることは容易に想像ができます。
今後、人口が増えるのはアフリカで、2050年には世界人口は97億人になり、そのうちアフリカは25億人にもなると予測されています。現在のアフリカの人口は12億人ほどなので、いかに急速に増えていくかがわかります。2100年には38億人を超えて、世界人口の3分の1を占めるとされています。
アフリカでは食料を増やすための活動が盛んに行われています。それならアフリカは自前で賄ってくれるのかというと、食料増産に資金を投入して、生産のための人まで出して、生産された食料の一部を自国に送ろうとしている国があります。誰もが想像がつく中国のことです。
それに対して日本は遠くから見守っているだけということでは、食料流通を押さえられたために崩壊しかねません。アメリカに食料を押さえられて崩壊した旧ソ連の二の舞は犯さない覚悟が必要です。
現在のロシアの平均寿命は男性が68歳、女性が78歳となっています。平均寿命が極端に短くなるようなことが起こらないようにするには、まずは食料の確保が重要なはずですが、現在の日本の食料自給率は生産額ベースで66%、カロリーベースでは38%でしかありません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)